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長期優良住宅

2023.06.18CATEGORY:

長期優良住宅とは「長く良好な状態で済み続けるための措置を講じた性能の高い住宅」のことです。

新築または既存住宅の増築や改築を対象としています。

認定基準として

■居住環境・・・良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。

■住戸面積・・・良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。戸建て住宅の基準は75㎡以上とされ、階段部分を除き、少なくとも1階の床面積が40㎡以上必要です。

■省エネルギー性・・・必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。冷暖房の負荷を軽減する省エネルギー性能が断熱等性能「等級5」かつ一次エネルギー消費量等級「等級6」の基準を満たす必要があります。

■劣化対策・・・数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。劣化対策等級(構造躯体等)「等級3」に該当し、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造に応じた基準のクリアも必要です。

■耐震性・・・きわめてまれに発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化をはかるため損傷のレベルの低減をはかること。住宅品質確保促進法(品確法)に定める免振建築物に該当すること、または住宅の構造などによって耐震等級1~3(倒壊等防止)に該当する必要があります。

■維持管理・更新の容易性・・・設備配管について、維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること。戸建て住宅の基準は、維持管理対策等級(専用配管)「等級3」です。

■維持保全計画・・・建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること

申請は建築主か建築会社が着工前に行います。

長期優良住宅の5つのメリットとは・・・

1.長期にわたり安全かつ快適な暮らしができます。

劣化対策や災害対策が講じられていることや、高い耐震性や省エネルギー性能を持ち合わせていることが理由です。長期優良住宅は長く住むことを前提に造られているため、資産価値が落ちにくいです。

2.減税が受けられます。(特例措置があります)

・住宅ローン減税 2023年12月31日までに入居した場合

  控除対象限度額5,000万円(3,000万円からの引き上げ)

・投資型減税 2023年12月31日までに入居した場合

  標準的な性能強化費用相当額(上限650万円)の10%を所得税から控除

※上記減税は併用できません。

・登録免許税 2024年3月31日までに新築した場合

  税率の引き下げ・・・保存登記 0.1%(本来0.15%)

             移転登記 戸建て0.2%

・固定資産税 2024年3月31日までに新築した場合

  減税措置(1/2減税)の適用期間の延長・・・戸建て1~5年間(本来1~3年間)

・不動産取得税 2024年3月31日までに新築した場合

  課税標準からの控除額の増額・・・控除額1,300万円(本来1,200万円)

3.住宅ローン金利が引き下げられる

・フラット35S(金利Aプラン)および維持歩保全型

   当初5年間:年0.5%引き下げ

   6年目~10年目:年0.25%引き下げ

4.地震保険料が割引される

・耐震等級割引・・・耐震等級2:30%引き  耐震等級3:50%引き

・免振建築物割引・・・50%引き

5.補助金制度を利用できる

性能に優れた木造住宅を新築・購入すると補助金が交付される「地域型住宅グリーン化事業」は認定を受けた長期優良住宅が利用できる制度です。地域型住宅グリーン化事業の採択を受けたグループに属する、地域の中小工務店などが整備する木造の長期優良住宅を建てることや地域材を利用するなどの要件を満たすと補助金を受けられます。補助金は、住宅1戸当たり最大140万円です。

※募集枠があるため事前確認が必要です。

3つのデメリット

1.長期優良住宅の認定を受けるためには時間・手数料がかかります。

長期優良住宅の申請は、着工前に行わなければなりません。申請の手続きは、所定の手順を踏む必要があるため、時間がかかります。認定申請書や複数の添付書類が必要なため、書類の作成や代行申請に別途費用がかかるのが一般的です。

2.一般住宅より建設費が高くなる可能性があります。

優れた住宅性能を確保するには、構造部材や住宅設備はグレードが高いものを選ぶ必要があります。長期優良住宅に適した設計や、良品質な材料の使用などが理由となり、一般住宅に比べ建設費が高くなる可能性があります。

3.入居後も定期点検・メンテナンスが必要です。

長期優良住宅の工事が完了し、入居後も認定を受け続けるためには、維持保全計画に従った定期点検やメンテナンスが必要です。

維持保全計画による定期点検では、住宅の維持保全が必要な期間は30年以上、点検時期の間隔は10年以内などと定められています。

長期優良住宅にはデメリットもありますが、快適で安心して暮らせる家に長く住むことができます。認定を受けることで減税や補助金制度が利用できます。世代を超えて住み継ぐことができるというサスティナブルな点が魅力的な制度です。

 

長期優良住宅制度の利用をするなら定められた性能を満たさなければいけません。間取りや設備・仕様に配慮しなければ基準を満たせません。長期優良住宅の家づくりをスムーズに進めるためには長期優良住宅の実績があるアスティークにご相談ください。