2024年、火災保険値上げ
2024.05.09CATEGORY:NEWS
損害保険大手4社は、今年10月より住宅向けの火災保険(住宅総合保険)の保険料の目安となる参考準率を全国平均で13%ほど引き上げられると発表しました。
(参考純率というのは各保険会社が保険料を算出するときに目安として使用できる純保険料率です。純保険料率というのは、火災による損害や自然災害による損害等が発生した時に、保険会社が支払う保険金に充てられる部分の保険料率です。純保険料率に、保険会社が保険事業を行うための必要経費などに充てられる付加保険料率を加えたものが契約者の方が負担する保険料率となります。)
今回の改定ではどう変わるのでしょう・・・
①全国平均で、約1割もの保険料値上げ(一部値下げ)
※実際には地域、建物の構造、築年数などにより値上げ率は変わるため一律ではなく、場合によっては値下げとなる地域、あるいは値上げ率が30%を超える地域もあるとのことです。
火災保険料は、直近10年間をみても、すでに4回改訂が行われています(19年10月には全国平均で6~9%、21年1月には全国平均で6~8%、22年10月には全国平均で11~13%)。2024年の今回の改定については、全国平均で約13%の値上げと言われています。この10年の中で引き上げ幅は過去最大となります。
値上げするのは、大手4社(東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損保)で平均9%引き上げることを決めていて、ほかの3社も1割程度引き上げる方針の様です。
背景には、近年の自然災害の頻発による各保険会社の保険金支払い額増加、資材の高騰化、人件費の上昇による修理費の高騰化などがあるようです。
②水災補償に対する保険料を水災リスクに応じで細分化の実施
今までは水災に対する保険料は全国一律でした。でも地域によって水災のリスクは大きく異なります。ハザードマップ等で水災リスクが低いと判断した契約者の方が保険料削減のために水災補償を外す傾向があり、この状況が続くと今後の火災保険料の値上がりにつながってしまうため、水災補償が必要な人が補償を付けられなくなるという事態が出るのを防ぐ目的があります。
今回の改定で、水災リスクの違いによる公平の観点から水災補償に対する保険料が水災リスクに応じた5段階に細分化されました。
■市区町村別
■保険料の安い「1等地」から保険料の高い「5等地」までの5区分
■「1等地」に比べ「5等地」は約1.2倍の保険料
水災補償を付帯することをご検討されている方は、ご自身のお住まいの地域が何等地に該当するか確認してみましょう。
下記のケースに1つ以上当てはまる方は、一度火災保険の比較検討、見直しをしてみましょう。
■家を新築・購入予定
■加入中の火災保険契約期間が10年未満
■加入中の火災保険の更新が近い
■火災保険の補償内容がわからない
身の回りのあらゆるものが値上げされる傾向が続いています。火災保険料もその中の一つです。ただほとんどの方が契約更新の通知などが届いた際ににしか気にならないのかもしれません。しかしほんの少しでも将来的な値上がりの動向などの情報を得ることで、家計の負担の軽減につながるかもしれません。
火災保険は絶対に加入しなければいけないものではありませんが、日本では今後も大規模な自然災害が発生するリスクがあります。安心して生活するためにも火災保険、地震保険はご加入されることをお勧めします。